燻製屋猫松の燻りラムレーズンができるまで|燻製ラムレーズンの開発秘話

燻りラムレーズン 商品紹介
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ラムの風味と薫香の絶妙なバランスがたまらない燻りラムレーズン。

この燻りラムレーズンは、燻製屋猫松がはじめて共同開発を行った商品です。

  • 燻りラムレーズンが完成するまでの紆余曲折が知りたい!
  • 学生とのコラボ商品はどのように作られたの?

などが気になる方のために、燻りラムレーズンの開発から販売までの道のりを包み隠さずご紹介いたします。

読了の目安は5分〜10分程度とかなりボリューミーですが、読み応え抜群ですのでぜひ楽しんでご覧ください!

燻りラムレーズンの開発:共同開発の経緯

燻りラムレーズンは、武蔵野大学の学生と共同開発をした商品です。

経緯をご存知ない方も多いはずですので、まずは改めて武蔵野大学との共同開発に至るまでの経緯を簡単にご紹介できればと。

燻製屋猫松のある秋田県鹿角市は、2020年から東京都にある学校法人武蔵野大学と包括連携協定を締結しています。

包括連携協定は文字通り、企業や学校などが市町村と連携し、地方創生にかかる共同研究を行ったり、持続可能なまちづくりの実現を目指したりするための協定です。

武蔵野大学の学生は例年東京から鹿角市へ足を運び、課外学習として地元企業や地域の人々と交流していたのですが、今回縁あって燻製屋猫松が「UIターン起業研究」のインターンシップ先に選ばれ、学生を受け入れることとなったのが商品開発の始まりでした。

さて、ここからはいよいよ、燻りラムレーズンの開発秘話のご紹介です!

燻りラムレーズンの開発:学生とのミーティング

まずは、燻製屋猫松でのインターンシップの様子からご紹介します。

新商品開発の流れを説明

スタートは燻製屋猫松での座学から。

カードを使ったゲーム形式の自己紹介でお互いを知り、「美味しいと思えるものでなければ商品にしない」などの思いを語った後は、下記のざっくりとした新商品開発の流れを説明しました。

  • ペルソナの設定
  • 市場調査
  • ターゲッティング
  • 商品コンセプトの決定
  • マーケティング試作の決定
  • 商品開発
  • パッケージデザイン
  • 販売開始
  • プロモーション

細かくみるともっともっとやるべきことはあるのですが、ひとまず「できるところまで一緒に進めよう!」と伝え、新商品開発がスタートします。

ターゲットのイメージは20代・女性芸能人

学生と「猫松の新商品をどんなイメージの人に食べてもらいたい?」と話をすすめるなかで挙がったのが、

  • 都内のマンション在住
  • 生活にゆとりのあるグルメな方
  • 健康や美に興味がありそうな女性

などの意見。

ここから、ターゲットのイメージ(ペルソナ)を20代の女性芸能人A.Nさんに仮定して、燻製屋猫松のメイン販売先である道の駅へと市場調査に向かいました。

燻りラムレーズンの開発:道の駅にてヒアリング調査

市場調査を行ったのは、道の駅かづの・あんとらあ道の駅おおゆの2箇所。

学生が、現場のスタッフさんにお客様の年齢・性別・利用シーンなどを質問して、新商品開発のヒントを探ります。

そして、ヒアリング調査の結果を踏まえた学生はなんと、仮置きしていた20代女性というターゲットを、利用者の多い40代〜60代女性(主に観光客)に変更することにしたのです。

「こんな方々に買って欲しい!」と思って商品を作ったとしても、販売先にそのお客様が訪れなければ売れませんもんね。英断です。

さらに、

  • 観光バスなどでも食べ切れるポケットサイズ
  • 日持ちがよくプチギフトにもできる
  • 健康的な商品
  • 1,000円以内
  • デザイン性が高い

という条件を加えて、新商品の開発を進めることにしました。

ラムレーズンが健康的……?」と引っかかりを感じた方もいるはずですが、この後しっかりと答え合わせができますので、ぜひ続きを楽しみにお読みいただければ幸いです。

燻りラムレーズンの開発:新商品の選定・試作

新商品の方向性が決まった後に行ったのは、食材の選定と試作です。

地元のスーパーに立ち寄り、 40代〜60代の女性観光客に好まれそうな食材を探し、下記の6つを実験・試食してみることにしました。

  • カマンベールチーズ
  • 高野豆腐
  • はちみつ
  • オリーブオイル
  • レーズン
  • 乾燥玉ねぎ

味・香りの2軸で評価を行った結果、全員の評価が高かったのはオリーブオイルとレーズンでした。

ちなみに、高野豆腐は苦みが強い、乾燥玉ねぎはさらに乾燥が進んでカッチカチ、カマンベールとはちみつは製造コストがかかりすぎるという理由で、今回の新商品食材から脱落しています。

このあたりは、とっても開発秘話っぽくてワクワクしますよね!

燻りラムレーズンの開発:試作品のヒアリング調査

学生と猫松からは評価が高かった燻製オリーブオイルと燻製レーズンですが、メインターゲットである40代〜60代女性に気に入ってもらえなければ意味がありません。

そこで、鹿角市役所の40代〜60代女性職員に協力を依頼し、燻製オリーブオイルと燻製レーズンの試食・評価を行ってもらいました。

評価の結果は、ご想像通りです。

そして、レーズンを新商品素材に決めたところで3日間の発展フィールド・スタディーズは終了。

学生たちから託された「燻製レーズン」の長い長い商品開発が、ここから始まります……!

燻りラムレーズンの開発:商品化に向けた実験

ここからは、商品開発の舞台裏を赤裸々にご紹介します。

レーズンの選定・燻製実験

まずは、専門店でレーズンを取り寄せるところからスタートしました。

試作に使用したレーズンは地元のスーパーで調達した暫定的なものであり、完成度も決して高くはなかったからです。

厳選したレーズンは、最も有名であろうカリフォルニアレーズンをはじめとした5つの品種

特に中国産のグリーンレーズンは、あまりにも鮮やかな緑色で驚いたのを覚えています。

5種のレーズンをそのまま食べて特徴をおさえた後は、燻し時間をかえたり、日を置いて薫香が残っているのかをチェックしたりしながら香りののり方・味・食感・見た目を確かめました。

そして、レーズンの品種と燻煙時間を確定しようかというところで、連日実験と試食を繰り返していた代表松村は思ってしまったのです。

「美味しくはあるが、本当にここがゴールなのか……?」と。

究極の燻製レーズンを求めて

冒頭でも少しだけ触れましたが、猫松の代表は強いポリシーを持っています。

それは、「自分がおいしいと思うもの以外は、世に出さない」というポリシーです。

売上を中心にした経営であれば、「製造工程が少ない」「利益率が高い」「学生の意見をまっすぐ採用する」などを考え、製造するのがあるべき姿なのかもしれません。

しかし、猫松は“美味しい燻製づくり”を妥協したくないのです。

ここから、究極の燻製レーズン作りが始まります。

燻製レーズンから燻製ラムレーズンへと進化

レーズンの魅力をさらに引き立たせるために、まず真っ先に思い浮かんだのはラムレーズンでした。

結果、1度試作をした時点で、ラムありの方が断然美味しいと感じました。

次に実験を進めたのはレーズンバターでしたが、ポケットサイズ・プチギフトなどの学生の案とかけ離れすぎていることもあり断念。

そこからは、高コスパで香りのよいラムを調達し、漬け込み時間と燻煙時間を変える実験を繰り返します。

実験と試食に明け暮れた代表は、「もう一生分のレーズンを食べた」と呟いておりました。笑

満足する燻りラムレーズンがついに完成!

実験をするなかで見つかった大きな課題は、下記の2つです。

  • アルコールが揮発してしまう
  • ネチャっとした触感・食感になってしまう

まずは、ラムも薫香もしっかり感じる絶妙な製造工程を模索、製造途中にレーズンがまとっている余分な糖を洗い流すことで触感・食感をよくすることにも成功しました。

そしてついに、「これだ!」という燻りラムレーズンが完成します。

当初検討していた健康に配慮した商品からは方向性を大きく変えることになりましたが、「美味しいは正義!」を盾に、燻りラムレーズンの発売へと踏み切りました。

燻りラムレーズンの開発:衛生検査

商品開発というとその物自体ができるまでにスポットがあてられがちですが、食品の開発において決して忘れてはならないのが賞味期限です。

食品は「完成だ!」という状態になっても、賞味期限を記載しなければ販売できません。

燻りラムレーズンに設定した賞味期限は、製造日から3カ月。

つまり、衛生検査にも3カ月以上の時間がかかっているのです。

検査に通らなければ商品開発は振り出しに戻りますので、結果を待つ間はドッキドキ。

猫松の新商品発表が1年に1度程度しかできないのは、この衛生検査にかかる時間の長さも関係しています。

燻りラムレーズンの開発:販売準備

衛生検査の結果待ちの間には、販売準備を行います。

パッケージ制作

パッケージ制作は、本記事の執筆者である私・こひまるのお仕事。

学生の原案をもとにメインターゲットのこと、利用シーンのこと、他商品とディスプレイされた時のことなどを考え、甘すぎず、可愛げのあるデザインに仕上げました。

ちなみに今回のパッケージは、水彩でガシガシ描いた手描き素材をふんだんに使用したのですが、メインのぶどう1粒には1歳の娘が塗りたくった素材を使用しました。万歳!

おうちの猫さんにも手のデッサンを協力してもらったので、図らずも猫松家総出で作ったパッケージとなりました。

販促・プロモーションの準備

学生たちは東京へ帰った後も、アイスクリームと掛け合わせる売り出し方を考案したり、店頭POPの原案を考えてくれたりしました。

学生の案も参考にしながら、手描きPOPの作成や、オンラインストアの商品販売ページを作成し、満を持して発売することとなりました!

燻りラムレーズンの開発:美味しい燻りラムレーズンのできあがり!

燻りラムレーズン

こうした紆余曲折を経て、燻製屋猫松の燻りラムレーズンは完成しました。

ターゲット設定をはじめ、食材の選定、ヒアリング調査、商品パッケージ案、さらには売り出し方までと、商品企画はほぼ全ての工程で学生が携わってくれましたので、お互いにとって貴重な経験ができたと思っています。

4月から新社会人になる学生のためにもどうしても3月までには世に出したかったので、予定通り発売ができて一安心でした。

洋酒がお好きな方ロッテのラミーハーゲンダッツのラムレーズンがお好きな方はハマること間違いなしだと思いますので、まだ試していない方は燻製屋猫松のネットショップからぜひお買い求めくださいませ!

こんなにも長い文章をお読みくださり、ありがとうございました。ここまで読み切ったあなたには、猫松コアファンの称号を認定いたします!笑

今後とも、燻製屋猫松をご愛顧いただけますと幸いです。それではまた!

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