パリッとした食感、ほどよい塩味、スモーキーな味わいが、お酒やご飯と抜群に合ういぶりがっこ。
漬物の燻製としても有名ですが、作り方を知っているという方は多くないはずです。
本記事では、いぶりがっこを製造・販売している燻製屋猫松がいぶりがっこの作り方を3つの記事にわけ、ていねいにご紹介します。
- いぶりがっこがどうやって作られているのかが気になる。
- 燻製屋猫松のいぶりがっこ作りのこだわりが知りたい!
という方は、ぜひご覧ください。
前回の記事はコチラから!
いぶりがっこの作り方:完成までの流れ
いぶりがっこができるまでの流れを、改めてみていきましょう。
- 大根の生育
- 燻し小屋の準備
- 大根の収穫・切り洗い・運搬
- 大根の紐かけ
- 薪の準備・着火
- 燻煙(燻しの工程)
- 回収・運搬
- 漬け込み
- 樽上げ・洗浄・ガス抜き
- カット・真空パック
- 煮沸殺菌
- 完成!
今回はいぶりがっこの核ともいえる、燻製の工程を含めた「大根の紐かけ〜回収・運搬」までの製造工程を詳しくご紹介します。
なお、燻製屋猫松のいぶりがっこは農事法人さんと協業して作っているため、ほぼ全ての工程で農事法人さんが登場することを前提にお読みいただけると幸いです。
いぶりがっこの作り方:大根の紐かけ
収穫後に選定、洗浄、葉っぱやひげの切り落としなどの工程を経て綺麗になった大根を、車で40分ほどある燻し小屋に運び出し、吊るしていきます。
農事法人さんとテンポ良く吊るしていくのは、重労働ながら楽しい作業です。
燻し小屋ギリギリまで吊るすと、こんなにパンパンに……!
目の前で見ると、圧巻の量です。
一通り吊るし終わった後は、みんなで小休憩をするのが大根の紐かけルーティーン。甘いお菓子と、缶コーヒーが疲れた体に染み入ります。
休憩を終えたら、農事法人さんとはお別れ。
お昼すぎ〜夕方にかけて、いよいよ薪に火をつけていきます。
いぶりがっこの作り方:薪の準備・着火
いぶりがっこを燻すための木材は、サクラやナラなどの伐採木や、リンゴなどの果樹の間伐材・剪定枝などが一般的です。
伐採木から特定の木材を集める手間や、安定供給の難しさから、さまざまな木材を一緒くたに使う製造業者も少なくないでしょう。
しかし、美味しい燻製作りには一切妥協しないのが燻製屋猫松。
豊かなスモークの風味を楽しんでもらうため、薪はサクラとリンゴのみを使用し、香り高いいぶりがっこに仕上げています。
「噛むと風味が広がる!」と評価をいただけるのは、このこだわりが一役買っているのかもしれませんね。
そんなこだわりの薪を組み上げ、着火していきます。
立派な薪を使っているので、初年度は枝から薪に火を移すだけでも一苦労。
今では当時と比べられないほど、スムーズに着火ができるよう成長しました。
しっかりと火が上がり、安定して燃え続けていることを確認できれば、着火作業は完了です。
いぶりがっこの作り方:燻煙(燻しの工程)
安定して煙が立つことを確認した後は、大根をひたすら燻し続けます。
燻す期間は4日間。
その間は夜通し薪をくべ、大根の乾燥具合を確認しながら火加減や煙の当たる場所を調整していきます。
火入れ当日の夜はまだまだプリプリな大根ですが、
時間が経つにつれて徐々に大根の水分が抜け、いぶりがっこらしくなってきます。
4日間燻した大根は、このような状態に……!
この時点で美味しそうと感じてしまうのは、製造業者ならではでしょう。
ちなみに、いぶりがっこの作り方をお話しをしていて驚かれる方が多いのはこの手順。
燻製商品は「加工をした食品を燻す」のが基本ですが、いぶりがっこは「燻した後に加工(味付け)をする」という手順で作られるのです。
大根を囲炉裏の上に吊るしていたら自然と燻されていた、という昔ながらの製法は、燻し小屋で薪をくべる形で現代に受け継がれています。
いぶりがっこの作り方:回収・運搬
燻し終えた大根は紐から下ろし、収穫したばかりのみずみずしい大根と入れ替えます。
このサイクルを、いぶりがっこ用に生育した大根が尽きるまでの4〜5回繰り返します。
軽トラックパンパンに積み込んだ大根たちは、次回ご紹介する漬け込みやパッキングなどをを経て、いぶりがっことして販売されます。
気になった方は、次回の記事もお読みいただければ幸いです。
いぶりがっこは燻製屋猫松の人気商品!
いぶりがっこは、4日間燻し続けるという非常に手間のかかる燻製品です。
しかし、独特の風味と食感は唯一無二のお漬物。
ご紹介した写真にもチラッと写っていましたが、燻製屋猫松ではにんじんのいぶりがっこも製造しています。
にんじんのいぶりがっこは大根よりも目にする機会が少ないと思いますので、いぶりがっこになじみのある方も、そうでない方も、ぜひお試しくださいませ!
次回の記事はコチラ!
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